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うららんど

「華麗なる宝塚歌劇展」トークショー
 4月1日(月)松坂屋上野店



「國語元年」のツアーも始まったばかりの春先、恒例の宝塚歌劇展にて、竹下典子さん司会のもと、40分ほどのトークショーが催されました。お越しいただけなかった皆様へ、その一部分をご紹介します。

――こまつ座の「國語元年」で今、各地をまわっていらっしゃいますが、着物を着ての舞台というのはいかがでしたか?
 「着物を着ているということより、立ったり座ったりという所作が多いことがたいへん。宝塚時代は男役でしたので、女性としての所作というものが分からず、一からやり直さなくてはならなかったんです。手紙を読む手ひとつにしても(男女で)違いますから、人に聞いたりして。
 着物は好きなんですけれど、持っているのはほとんどが男ものなので、花柄とかはなくて(笑)、わりと渋い色のものが多いです。お稽古のときに着ていると、“それ、格好いいね”とか言われて(笑)。」

――共演の佐藤B作さん、土居裕子さんなど、それぞれが日本各地の方言を話す中、剣さんの役だけが標準語なんですね。
 「今で言えば“標準語”になった言葉ですが、当時は東京の山ノ手訛り。お客様には私が通訳しているようなところがあったと思うんです。」

――井上ひさしさんのお書きになったこの作品は、日本語がたいへん難しいお芝居ですね。
 「そうですね。井上先生の日本語に対する愛情みたいなものをすごく感じます。今までにも井上先生の作品は何本か観させていただいているんですけれど、その都度感じる郷愁とかあたたかさとかは、どこからくるのかなー、といつも思っていたんです。それに、これだけきれいな日本語をお書きになる方は、いらっしゃらないんじゃないかな、とも思いますし。
 今、“加津(かつ)”という役を演らせていただいてますけれど、皆からは(鹿児島弁で)“かつどん”と呼ばれるんですが……つまり、(アクセントが)“カツ丼”(笑)。やっぱり、“カツ丼”を思い浮かべるじゃないですか! そういう親しみやすいものを名前につけてしまう……そんなところまで考えていらっしゃる。言葉ひとつひとつに、井上先生の魂みたいなものを感じます。」

――「ガイズ&ドールズ」が宝塚で再演されていますが、下級生たちをご覧になっていかがでしたか。
 「みんなスタイルも良くて、ダンスなどのレベルもどんどん上がってきていますよね。ただ、そこから少しはみ出したところで、遊び心がいっぱい出てくると、更に幅広くなるような気がします。これはこの間、直接みんなにも言ってみたんですけれど。」

――こういうふうに、宝塚では、同じ作品を下級生が受け継いでいくんですね。

 「私も、同じ役をされた上級生から、いろいろなことを教わったりしました。でも、再演するということは、前作が好評だったからであって、それと同じくらい、又は良くなったと言われなければ、というプレッシャーもかかります。伝統を守りつつ自分なりの解釈をし、はみ出し方の度合いを考えながら演る難しさはありますよね。それでも、その時代によって、その時の良さが生まれてくると思うんですけれど。」
――客席で観る感想は?

 「もう、リラックスしてましたよ! 自分が以前演っていた、という感覚で観ているわけではないんです。だから、客観的に観られる嬉しさもありました。」

――宝塚へ久しぶりに行かれたと思いますが、宝塚の町の良さとは何でしょう。
 「不思議な空間……時間、空気、風みたいな感覚がタイムスリップできる場所。どんなに周りは変わっても、ここだけは変わらない時間が流れている。そういうところだと思います。」

――では、宝塚へ行ったら、何をお土産にしますか?
 「……夢、ですか?(笑)」